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一緒に子育て 82 発達障がい者、聴覚の敏感性

発達障がいの人たち全てではありませんが、特徴の一つとして、聴覚の敏感性がよく言われます。当事者によれが、街全体の騒音が耳にキリを差し込まれるようだ、と体験語っておられました。定型発達の者からすれば想像もつきかねることです。先日、ある会合で阪神間にある中学校へ行きました。教室内の生徒用の机と椅子の脚に、硬式テニスのボールがはめ込まれていました。ボールに穴を開けて、机と椅子の脚全てにはめこんでいました。                    生徒が立ったり座ったりする時に、椅子、机が動きます。その折りに床とすれる時の音は、不快、耳障り、うるさいです。定型発達者はそれらの音を排除して、それほど気にはなりませんが、発達障がいの人たちは、要らない音を排除する機能がうまく働かず、全て音が平等に聴覚機能に届きます。その結果、耳をキリで差し込むようになります。学校、街には多くの騒音があります。例えば、駅のアナウンスやスーパーの宣伝用アナウンスが、うるさすぎると感じることがありませんか。耐えられない騒音になって彼らに伝わっています。

イギリスのある町のスーパーで、発達障がい者に配慮して「静かな日」を設定して、店内でできるだけ音を出さないようにしたそうです。発達障がい者は落ち着いて買い物ができたそうですが、結果としてそうでない人たちも買い物がしやすく、全体として売り上げが伸びた、というテレビ報道がありました。

聴覚だけでなく、視覚の過敏性で生活しづらい人たちへの配慮を考えたいものです。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

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