前回、いじめへの対応の一つに「癒やしの効果」を取り上げました。今回は大人の本気度について触れます。
いじめから重篤な事案になる経過の中で、「なんでもっと早くいじめ被害を訴えなかったのか」がよくあります。その原因はいろいろ推測できますが、その一つに「大人に言っても軽く見られるか、たいしたことをしてくれない」があります。確かに、子どもや親から相談があっても忙しさに紛れたり、当事者ほどの緊迫感がなくて対応が後手になりがちです。加害者側もその状況を見ています。
私はスクールカウンセラー時代、保護者からいじめについて相談を受けた場合、担任に「何時、どのような対策をしてくれるのか。その結果を教えてくれるように」を失礼にならないように確かめることを勧めていました。
大人の具体的な真剣な「すぐ動く」様子を、被害者側も加害者側も見るのと、反対の大人の様子を見るのとでは、子どもたちに与える影響は大違いです。
「親や先生はすぐ動いてくれるんや」の姿を示したいものです。