ぎゃらりー鈴ブログ>

一緒に子育て 97 心の敏感性

過去のこのブログでも、いろいろな研修会でも「気持ちのナイーブ、繊細さ等の」言葉で、ある子どもの心理的な特性に触れたことがあります。また、敏感性といえば、発達障がいの方々の感覚の敏感性もよく述べてことがあります。

前者の繊細、ナイーブとほぼ同義語になりますが、「心の敏感性」の言葉を使用して子どもの心理に触れたいと思います。                         ある会合で、不登校児のお母さんが、自分は夫の暴力的言動に言い返すことなく、唯々諾々と従っていた。反発しても受け入れてくれない、従っておればその内平和になることが多く、自分だけ我慢すれば納まることの繰り返しでした。

その様子を物心ついた頃から見ていた長女が、何かと父親に反抗するようになったそうです。今から振り返れば、娘が母親に成り代わり、自己主張しない母親をもどかしく思った子どものとった行動ではないか、と推測されていました。同感です。子どもは、母親の内面の哀しさを読み取っていたのです。

また、この子どもは一度会った大人の言動から、本音か建前かを見抜き、親にそのことを話していたそうです。このように他者の心に敏感な子どもは、自分の心にも敏感です。他者なら何となく見逃せる、我慢できる周りからのマイナスのメッセージも敏感に感じ取り、それだけダメージも大きくなります。生活がしんどくなります。この子どもさんもそれらが重なったのか、不登校傾向になりました。

母親が自己主張し、生活を楽しめれば本人も気を遣う必要がなく、安心して家族に包まれることでしょう。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

ご意見、感想、質問がありましたら yc-suzuki65@bcc.bai.ne.jp で送信して下さい。


top