常識の嘘シリーズ その1 過保護はそれほど問題か
私の持論ですが、子育てには完璧がなく間違いがあって当たり前と思っています。その間違いの時、先生と言われる立場の人たちから、「お母さん、それは過保護ですよ」と、言われた人は多いのでないでしょうか。「お母さん、それは愛情不足ですよ」と共に指摘の言葉の双璧であるように思えます。
この二つの指摘は誰にでも当てはまり、言われた方は大なり小なり心当たりがあります。誰にでも当てはまることを、さも問題の主原因のように指摘します。
もちろん、子どもが要求もしていないのに、また要求水準以上に甘やかすことで、間違いや問題が起こることもよくあり、その修正や対応に苦労することもあります。
現在、虐待が一つの象徴でありますように、親子関係の希薄さや心のぬくもりの少なさが気になる状況です。過保護傾向で起こる間違い・問題と、虐待につながるような親の言動やネグレクトで起こる間違い・問題とどちらが深刻でしょうか。後者であることは間違いありません。
「お母さん、それは過保護ですよ」の指摘で、自然な母性性の発露をためらえば、親子関係の大きな損失です。
一番気になるのは、その指摘で親御さんが自信を失い、過保護かそうでないのかと心配しながら、子どもとの関係を考えることです。考えた末での子どもへの愛情は、子どもの心に届かない愛情になってしまいます。
計算ずくの愛情ではなく、どうぞ自然のおもむくままの愛情で子どもさんと接してください。