よく聞く言葉ですね。これも反論のしようがありません。自分の子どもが学校や集団生活の中で、問題行動や気になる行動が顕在化したとき等、先生に「子どもさんの問題を改善するためには、お父さんお母さんが変わらんとダメですよ」と言われたら(こんなストレートないい方はないかも分かりませんが)、ごもっともと聞くしかありません。
親であっても完全ではなく、そのうえ大なり小なり日常の自分に後ろめたさがありますので、反論のしようがありません。
さて、本当でしょうか。あるいは変われるでしょうか。
30年、40年生きてきた人間には、その歴史と癖があります。それぞれに生き方やポリシーもあります。そのうえ持って生まれた性格もあります。時として、自分一代で出来たものでなく、親から引き継いだものもあります。「変わらなければならない」は、それらを否定することにもなります。
従いまして、そう簡単に変えられるものではありません。それを指摘されたとおり、変わろうと努力するのは大変な労力が必要です。また、どこかで無理をします。また、子どもの改善にすぐには結びつきません。これらが重なれば、自信を失いまし、ストレスをためます。子どもの養育、教育、しつけにあたる親が、自信を失っては元も子もありません。
子どもは、親の自信のない態度を見るのは、いやがることの一つです。
人は、自分の生き方(子どもへの養育態度も含めて)を肯定されてこそ、次のステップすなわち修正の方向へ向かいます。親、大人の癖や生き方、ポリシーはある時点ではマイナスに働くこともありますが、プラスに働くこともあるはずです。
私は、プラスに働いてきたことも評価し、親御さんに自信を持ってもらったうえで微調整をお願いします。
「大人になっとんのに、そう簡単に変わられへんで」が、私の持論です。
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臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一