先日、保育所の先生方対象の講演会にお招きいただきました。その折次のような質問をいただきましたが、時間の都合で触れることができませんでした。それは「優しさと甘やかし」の違いでした。
カウンセリングや教育相談でもよく受ける質問です。優しさ、すなわち純粋な愛情をもって子どもに接する、また子どもから甘え要求を出してきたときに、そのレベルで受容することは、子どもの発達上欠くべからざるものです。これは甘やかしでも過保護でも決してありません。
子どもは、自分が受容された経験を積み重ね、自信を持って次の発達段階へ進んでいきます。すなわち自立へ向かいます。
過保護は、子どもが甘えにも来ていないのに大人の方から甘やかしたり、子どもの要求レベル以上に甘えさせることです。時には、子どものご機嫌を取るようなこともあります。
分かりやすく言えば、子どもが甘えを要求を出してくれば、大人側もそれに応えその関係を楽しめばいいのです。とは言え、過保護かそうでないのかの境を気にして、子どもとの関係を楽しめないのは一番のマイナスです。可愛いと思えば十分可愛がってください。
依存と自立がよく論じられますが、対立するものではなく依存があって自立が可能になります。子どもの教育で自立が優先されすぎ、結果的に破綻する事例もよく見受けられます。
大人になっても、誰かに甘え、依存することで自立した生活を送っているものです。
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臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一