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一緒に子育て 16 常識の嘘シリーズ その2 「友だちがおらんのは、あかんことなんか」

一緒に子育て13で、常識の嘘シリーズその1として「過保護はそれほど問題か」を取り上げました。今回はその2として、見出しのことを取り上げます                      。同じ内容で、広報伊丹11月1日号人権尊重のまちづくり欄に、私の記事で掲載されていますが、大事なことなのでここでも触れたいと思います。

一般的に、誰もあまり疑うことなく「友だちはたくさんいる方がよい」その反対に、「友だちがいない、友だちと付き合えないのは、将来の社会生活に大きなマイナスになる」と、よく言われますし、言います。

中学校でのスクールカウンセラー時代の相談事例ですが、「休み時間に一人でいつも教室で本を読み、友だちと遊ばない女子生徒がいる。問題ではないか」、という相談を担任の先生から受けました。先生は運動場へ出て、友だちと遊ぶように何回も指導していました。

友人関係を楽しめる子どもと、それが苦手で傷つく子どもいるのです。群れて過ごす子どもと、一人で本を読んでいる子どもいるのが多様性ではないでしょうか。                彼女は自分の苦手さを認識して、上手に休み時間を過ごしているのです。

群れから外れることを恐れて、仕方なく周りに会わせ学校生活を過ごしている子どもが多くいます。ある不登校男子中学生の発言です。「友だちと話を合わせるため、好きでもないテレビの歌番組を見ていた。それもしんどくなった」。

私たち大人は、この「常識の嘘」で子どもを束縛していないでしょうか。友だちは数人でも構わない、時にはいなくてもいい、一人で過ごす強さを評価する発想も必要です。

友だちづくりが苦手な子どもに、「別に友だちがおらんかっても、それでええんやで」と言ってやりたいものです。

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臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一


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