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一緒に子育て 42 乳がん治療A子さん その4

A子さんその3から随分日時が経ちました。

抗がん剤治療では、毛髪の抜ける副作用は避けられません。A子さんもその覚悟で、行きつけの美容院でかつらを用意しました。周りの人たちは、抜毛について同情をしてくれるが、A子さんは、「犬の毛がわりと一緒で、またはえてくる」と気楽に考えていました。こう言われれば、周りの人たちこそ気楽に付き合えることでしょう。鼻毛、睫毛も抜け落ち、そのせいか鼻水がよく出たり、目にほこりが入りやすくなりメバチコがよくできたそうです。

副作用は、抜毛だけでなく白血球の数値の異常、吐き気がする、身体のだるさ等々に悩まされ、一喜一憂しながら治療に励んでおられます。右肩上がりのように単に時間の経過で良くなるようなものでない長期間の治療には、まわりの支えが必要なことはいうまでもありません。一人では耐えにくいものです。

その3で、A子さんの友人の支えを、ピアサポートとして紹介しましたが、ここでは家族の支えに関して触れます。親に手紙を出すという学校の課題に、長男Bくんは、次のような手紙をA子さんに届けました。

いつも元気なおかんへ。「今年は家族にとって、本当に大変な時期やったね。早くガンが見つかたけど、1年もかかるなんてちょっとびっくり。陰で辛いことは分かってんで。女の人が髪を失うのはすごいショックや、ということを聞いたことあるわ。・・・中略・・・オレの病気の時は、おかんはいつも笑って心配を見せなかった。だから今度はオレが元気にやって、おかんを1日でも早く治してあげたい」

A子さんは、この手紙に大感激。この手紙を宝物にして副作用を乗り切ろうと思われています。いつ終わるか分からない困難なガン治療も、家族の支えを実感し立ち向かっていけるものと思います。このブログのタイトルは「一緒に子育て」ですが、「一緒に治療」を感じました。

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