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一緒に子育て 41 番外 「教師冥利に尽きる」

店頭に「ちっちゃい図書館」と称して、棚を利用して本を置いています。置き始めて相当期間たちました。閉店後も定休日も、店内にしまわず利用して貰っています。自由に何冊でも持ち帰っていただき、読了後返却していただくように表示しています。お陰さまで、結構利用されるお客さんが多く嬉しく思っています。主に大人向けの本が多いですが、幼児用の絵本等はすぐ貸し出されます。

先日、下校途中の女子中学生が店内に「本を借りていいですか」、と声をかけてきました。「どうぞ、どうぞ持っていってや。何の本?」の問いに、「向田邦子さんの本です。教科書に載っていたので、読みたくなりました」、と返事が返ってきました。大人の方が借りていくことが多く、中学生は本当に珍しいです。これからも読書の習慣が続けばいいのにと思いました。

先日、このエピソードを中学校国語担当のA先生に話す機会がありました。A先生は、この4月に中学校に赴任したばかりの若い先生です。教科指導、その他の時間で生徒との接点が校内でいろいろありますが、指導・指示が生徒に伝わりにくく、気持ちのズレを感じると悩みを打ち明けてくれました。

いろいろ話を聞く中で、A先生は生徒に対して大変丁寧に接しておられ、質問にも親切に答えられていました。そのことを評価しお伝えしました。いずれ、生徒からも保護者からも信頼される先生になられると思いました。

そのA先生に、先程のエピソードを紹介しますと、「教師冥利に尽きますね」とおっしゃいました。国語の教科で教えたことが、生徒の心に残り興味を沸き立たせ、読書の意欲につながる、ひょっとして一生の趣味になることを考えれば、「教師冥利」がよく理解できます。悩みを打ち明けられ相談を受けたわけですが、教育の力の一つを見た感じがしました。

A先生からも意欲を感じられ、今後の充実した長い教師生活に期待したいものです。


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