前回の最後の文章で、「外国人のお遍路さんに触れたいと思います」のお遍路さんの部分が間違っていたことをお詫びします。
写真は愛媛県今治市の55番札所南光坊です。ろうそくを立てている男性は、イタリアから来た男性です。彼がイタリア人であること、名前がPAOLOであることが分かったのは、その日に泊まった宿で彼と一緒になってからです。この宿は、全くの日本式の歩きお遍路さんようの民宿風宿です。偶然ですが、この宿で2日前一緒だったフランスの若者とも同宿になりました。宿の女将さんは、私が通訳で一緒に歩いているのかと勘違いしました。因みにこの宿では私含めて3人、2日前にの宿ではフランス若者と私の2人だけの宿泊でした。
南光坊に戻ります。札所に着きますと、手を清めて本堂、大師堂にお参りします。お線香とろうそくをお供えし自分の札を納札し、般若心経をとなえます。それが終わって納経所へ行きます。PAOLOは、この手順を忠実に守っています。覚束ない発音で般若心経を読んでいました。バスでツアーの団体遍路と一緒になるような時には、私はこの手順を省略する時もあります。といいますのは、バス添乗員が大きなかばんに入れた、大量の納経帳や掛け軸を納経所に持ち込み、それに出くわすと自分の番になるまで長い時間待たなければなりません。時には、気を利かせてくれる添乗員がおられ、歩き遍路だと分かると「どうぞ」、言ってくれることもあります。
今回、6日7泊で歩き遍路さんと出会ったのは12人ぐらいでした。宿や札所で一緒になったり、歩いている時や休憩している時出会ったりします。そのうち、外国人歩き遍路さんは5人もいました。中には女性もいました。彼ら彼女らは、私たちが持っている歩き遍路用の英語版ガイドブックを持っています。私もそれが頼りですが、時には不安になることもしばしばあり、地元の人に道を確認することもあります。間違いを教えてくれることもあります。遍路道には遍路マークのシールが貼られていますのでそれを頼りに歩きます。
同宿になった2人の外国人遍路さんは、日本語もほんの片言でした。宿も全くの日本式です。そんな状況で歩くことに本当に感心しました。宿の女将さんとは手振り身振りでやりとりをしていました。私も一人で歩きですが、今回会った外国人5人は、2人連れが一組でしたが、3人は一人歩きでした。苦労もあるでしょうが、それ以上に四国歩き遍路に大きな魅力を感じてくれているのでしょう。
過去にも、外国人歩き遍路さんには時々出会ったことがありましたが、今回のようなことは初めてでした。1番札所から88番札所まで、総距離は1400kmあるそうです。通しで歩くと、40日から50日かかるといわれています。無事に歩き通すことを心から願っています。