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一緒に子育て 65 子どもと自然との触れあい

子どもが育つ中で、自然との触れあいの大切さ、必要性がよく言われています。野山や川で思い切り身体を動かすことで、虫や小動物、草木と触れ合う、季節の移ろいを感じることが出来るわけです。昭和の時代には、わざわざそのような理屈をこねなくても、室内での遊び、テレビ、ゲーム等がなかったので、外遊びしかありませんでした。庭先や路地で遊び、近くに川や野原があればそこも格好の遊び場になります。思い出せば、その遊びは缶蹴り、鬼ごっこ、かくれんぼ、コマ回し、たこ揚げ、縄跳び等でした。一人でなく必ず多くの友だちが周辺にいました。多くの大人は、そのような場面を思い出せるのではないでしょうか。

新聞の読者投稿の川柳に「それぞれに ゲームするなら 来なくても」がありました。思わずにたっとなります。子どもの一人遊び、室内遊びの弊害も言われて久しくなります。

そこでこれら弊害を何とかするため、いろいろな取り組みが、幼稚園・保育所・学校・地域行われていることも周知のことです。

先日、丹波地方のあるこども園の保育を参観する機会がありました。積極的・意図的に保育を勧めている園と聞いていました。参観の冒頭、園長先生から挨拶がありました。そこで強調されていたのは、ごく身近にある自然との触れあいを、積極的に取り入れていることでした。その背景には北欧のある国で提唱されている考え方を参考にされていました。

北欧ですから、周りに自然環境が一杯あるわけですが、子どもたちはそこで遊ぶことも少なく、時には自然に帰りにくいゴミ等が見受けられることもあるそうです。このことは、その園がある丹波地方と全く同じというわけです。少し脚を伸ばせば里山、林、森があるのに子どもの遊びに行く場所にはなっていません。私も自分の工房がある山を丹波に持っていますので、そのことは実感できます。クヌギの木にカブトムシ、クワガタが群れていますが、虫取りをする子どもの姿はあまり見かけません、小魚が泳いでいる川にも子どもは網を持っていません。

従いまして、保育者の方から意図的にしかける必要があるわけです。その園は、それを実践されていました。歩いて数分のところに林がありますので、場所的にも恵まれています。

これらの取り組みは、時としてそのときだけのイベントとして終わることが多いですが、この園は継続的に保育の中に取り組んでいることが評価されます。

更にいえば、その保育をする大人が、心の底から自然との触れあいを好んでいるかも大事です。子どもは、一番身近で信頼のおける大人の動向に左右されることが多いです。保育者よりか保護者の方が身近です。両親が、祖父母が好んで自然の中に身を置くことで、子どもたちも自然との触れあいが、意図しなくても出来るわけです。イベントでなく日常化したいものです。

市街地でもその気になれば、ちょっとした自然は見つけられます。


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