以前にも紹介した新聞の読者投稿川柳に「やってたな 一家総出の 大掃除」があります。大昔でなく少し前にあった、家族や地域の伝統行事がいつのまにか廃れたことを詠んだ句です。生活様式、家族構成、地域状況、親戚との付き合い方等々でこれら行事が変化しても当然です。「昔はこんなこともあったのに」は単なる郷愁で無い物ねだりになるでしょう。
とは言いながら、大掃除の箇所を「お餅つき」「お節づくり」「初詣で」「お墓参り」等々に変えてもすべてに当てはまるのではないでしょうか。少し前まで、自分の用事を優先して、あれだけ一生懸命に家族が一緒に過ごした時間がなくなっていることは、気になることです。
私の趣味で、写真のようなお餅つきを続けています。小さい子どもたちにも参加して貰っています。つきたてのお餅の美味しさ、蒸しただけの餅米の味、薪を燃やすことのおもしろさ等々、子どもたちは新鮮な印象を持ってくれます。
先述しましたように、これら伝統行事を続けることが難しくなっています。それに変わる自分の家族の行事を作り出すのも如何でしょうか。大きくなった子どもたちに思い出になるはずです。.こんなことを幼稚園の研修会で話したところ、あるお母さんが、「自分のところでは、毎夏友人一家とキャンプに行っている」と話されました。そうです、いわゆるお餅つき等の伝統行事でなくても、新しいその家族だけの伝統行事を作り上げればいいのです。
それにしても、子どもたちは火遊びが好きです。団扇であおいだり、火吹き竹で空気を送っています。私の山小屋に大人が来れば、薪割りを一番好んしてでくれます。いずれも人間の本能を呼び覚ますようです。
感想、質問をお待ちしています。 臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一