熊本での本震1ヶ月の本日です。熊本の人たちは、余震におびえ不安な日にちをお過ごしのことと思います。どうぞ1日も速い復興をお祈りいたします。
地震といえば、阪神淡路大震災、東日本大震災と私たちにも記憶に新しいです。その間に、風水害の大きな被害もありました。それぞれの被害地では大きな苦労をされながら、復興に向けて歩み、歩んでいることと思います。
私は、地震で忘れられないことがあります。というよりか忘れないで欲しいことがあります。先ず、小学校5年生の作文を読んでいただきます。 「今日の話で、本当に日本人は助け合い、ルールを守っていて責任感があって礼儀正しい行動を取っていて、同じ日本人としてとても嬉しいです。遠藤未希さんのように最後の最後まで自分の命より他人の命を大切にして、責任を持って自分の持ち場を離れませんでした。遠藤さんはとても責任感が強い人だとお思いました。私もいつか遠藤さんみたいな責任感が強い大人になりたいです」
次に遠藤未希さんのお母さんからの手紙を紹介します。なおこの手紙はすでに新聞でも紹介されたものです。 「東日本大震災について、未希のことについて、いろんな感想を書いていただき有り難うございました。・・中略・・今回の地震で未希というかけがえのない娘を奪われました。辛く悲しいことですが、未希の行動は多くの多くの人たちに伝わり、何かを感じていただいたように思います。・・中略・・自分の出来ること、思いやり、助け合い、責任感と、いうものをこれからの生活に取り入れて欲しいと思います。皆さんの感想文を読み大きな勇気をいただきました。有り難うございました」
東日本大震災当時、宮城県南三陸町の防災センターに勤務されていた「遠藤未希さん」のエピソードを、講話を依頼された小学校5年生に紹介しました。遠藤さんは、最後の最後まで住民に避難を呼びかけました。しかし本人自身が逃げ遅れ、大津波の被害に遭い命を落としました。このエピソードは大きな反響を呼び、ある地方の教育委員会では教材にも取り入れました。私も感銘を受け児童への講話に利用させて貰いました。講話後の児童の感想文がよく書かれていて、ご遺族にお送りしました。ご遺族にとれば、他者に感銘を与えるよりか速く逃げて助かって欲しかったはずです。その辺りを斟酌しながら送りました。
今、遠藤さんのご両親は「未希の家」という民宿を経営されています。お父さんは漁師さんですので新鮮なお魚料理が自慢だそうです。6月には、「未希の家」をお訪ねする予定です。
臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一
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