保護者対象のある研修会(テーマ:発達障がいの理解について)で、「相談や検査に子どもを連れて行くのに、どう説明したらいいのか」、という質問を受けました。日常と違う場所へ連れて行き、日常と違う対応があるわけですから、確かに子どもへの説明は必要です。子どもの年齢にもよりますがよくよく考えれば難しいです。
正解は無いとは思いますが、次のように考えました。先ず説明は必要で、連れて行きたいが為にだますようなことはいけない。次に日常の子どもとの関係が大事ではないだろうか。日頃から子どもの~~の言動が気になり、その子で親が困っている、例えば「あなたのためにお母さんは困っている」「貴方が~~のようなことをするので、お母さんは恥ずかしい」等々のメッセージが子どもに届いていると、子どもは身構えて行かないのではないだろうか。子どもからすれば「自分には~~があるから、また怒られる」等の不安を持つことだろう。
反対に、~~の言動があろうが、それについて子どもに不安を与えず、一緒に改善していこうとする姿勢が子どもにも理解できる日常があれば、すなわち自分の~~について大きな卑下感を持たず生活していれば、「あなたの~~について、お母さんだけでは難しいので、専門の先生に相談したい」、ときりだせば如何であろうか。子どもへの説明の言葉は年齢や理解力によるが、一番大事なのは日頃の子どもとの関係だと思います。
いうまでもありませんが、相談・診察だけでなく今後の対応も助言をいただくことも大事です。いずれにしましても、ある日突然違う場所へ連れて行くには避けたいのもです。特に発達障がい系の子どもさんの場合、事前の説明がより大切です。
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臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一