自尊感情について その2
前回、不適応行動を起こす子どもや気になる子どもたちの心理的背景に、自尊感情、自己肯定感(自分は存在感がある、人の役に立っている等)が極端に不足していることが多いと指摘しました。
これら子どもたちは、今、現在が不安と不満の気持ちで心がいっぱいです。従いまして、今、勉強すればいいとか、今、頑張れば将来役に立つというような、先のことは考えられませんし、先を見越した建設的な行動はとれません。
よく、大人は、「将来のために、頑張れ」と激励しますが、今現在、心が満たされていない、それどころか不満と不安の気持ちがいっぱいであれば、将来どころではありません。その激励は心ここにあらずで聞いていることでしょう。
また、いじめの加害者側にたつ子どもの中には、日常から自分自身が大事にされていない(すなわち、自己肯定感が不足している)子どももいます。「相手を大事にせんとあかんで。弱い立場の友だちをいたわったりや」と、説教しても、自分が大事にされていない、いたわってもらっていないと、その意味が理解しにくいし、その行動がとれません。
「自分は、大事な家族の一員やんや。みんなから大切にされとるんや。お母ちゃんに好かれとるんや・・・」と、感じてくれるようなメッセージを日常から子どもたちに伝えたいものです。
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担当 臨床心理士 鈴木隆一(元、スクールカウンセラー)