さて、親以外の親3人目は貧乏です。現在も貧富の差が問題になっていますが、日本全体が今日より圧倒的に貧しさの時代がありました。 古いですが、ユニセフの援助で学校給食も成り立っていました。個人のレベルでも同じでした。私自身も落ちていたものを拾い、食べた記憶があります。子どもながら、お米の作況指数が気になっていました。
ものがありませんので、ものを大事にすることが、日頃から普通のことでした。また、我慢、分ける、待つが、身についたのではないでしょうか。 従いまして、「もったいない」が常に行動基準としてありました。
ゲーム機も携帯もスマホもありません。何年生になったら持たせらいいのかの、親の葛藤もありませんし、子どもとのバトルもありません。
遊びといえば、外で友だちと身体を動かす遊びしかありません。今のこどもに不足している身体運動と多様な友人関係が、日常的に自然にできていました。
酔っ払いを表現した絵やマンガには、父親らしき人物が必ず寿司折りを片手に持っていました。寿司折りは大変なご馳走で、どんなに遅く帰ってきても子どもを起こして、食べさせていました。寿司折りが、親父の権威が保つ一つになっていたのです。
このように貧乏が、子どもたちにいろいろなことを教えていました。「もったいない」が、ローマ字なって逆輸入の時代になったのは、感慨深いものがあります。
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臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一