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一緒に子育て 64 思春期の子どもとの付き合い方 その3

子どもがストレスをためたり悩みことがある時、親や担任の先生に話をする、またはスクールカウンセラーの先生に相談する、と勧めます。しかし、子ども側からすれば恥ずかしい、自分が弱い人間に見られるや、自分は変なのかなぁ等々の理由で相談したがらないものです。

そこで、私は身近な身体不調の風邪引きや腹痛を例えにとって、次のように話をします。「誰でも風邪を引いたり、お腹がいたくなるやろ。みんな、その時はどうする? お医者さんに行くやろ。それと同じように、ときには心も風邪を引いたり、熱を出す時もあるんやで。身体が調子悪くなるように、誰でも心も調子が悪くなる。生きている限り誰でも調子が悪くなって当たり前。何にも恥ずかしいことではない。そしてそのとき、お医者さんやカウンセラーの先生とこへ行くことも当たり前」                                         このように相談の抵抗を少なくするようにします。

講演会で次のような質問をよくいただきます。                       学校から帰った子どもの様子が普段と違い心配なので、こちらから問いかけた時「別に」の返事。またうるさがられる等々でさっぱり様子が分からない。この光景が手にとるようです。     この質問に正解はありません。ただ言えることは、親が過剰に反応しないことです。折角心配してるのに答えてくれない、等のマイナスの気持ちを持ったり、口にすることがないようにしたいものです。この「折角」がくせものです。「折角心配したってんのに」が少しでも伝わると、子どもはますます「ほっといてくれ」になります。

「好意の無視」という言葉を私はよく利用します。相手、このときは子どもを冷たい態度や気持ちでなく、押しつけがましくないプラスの態度、視線で見守ることです。「いつでもゆうといでや」「ちゃんと聞くからね」の態度です。                           親の悠然とした態度に子どもも安心し余裕を持ちます。結果的に、親に近寄り易くなります。

もう一つ大事なのは、このような反抗的な態度に親は動じないことです。親のおたおたには、子どもは腹立たしい気持ちを持ちます。たかが子どもの反抗です。うちの子も段々大人になっていくんやな、くらいの気持ちを持てればいいですね。

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臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

 

 

 

 


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