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一緒に子育て 69 広島中3自殺について

この数日、新聞、テレビの報道で広島県府中町立の中学校3年生男子生徒の自殺の問題が,盛んに取り上げられています。学校関係者、臨床心理士として見過ごすことが出来ません。この年齢で自ら命を絶つということは、誠に痛ましい限りです。残されたご遺族のお気持ちは想像するに言葉がありません。

報道によれば、万引きの事実や記録の手違いのようですが、彼に取れば単なる手違いということではすまされない人生の岐路に関わる重大な事柄なのです。先ず、このことから学校における生徒関係の記録、会議録が慎重丁寧に扱われなければなりません。また、過去何回か訂正の機会があったに関わらずそれをしなかったとも報道されていますが、複数の教員が関わると責任が分散されるという空気が漂い、結局誰の責任か分からなくなります。

間違った事実で進路指導が行われたことは、とんでもないことです。進路指導を行った教員は、自分の発言の重大性をどれほど認識していたかが疑問に残ります。希望に満ちた高校生活を夢に描いていたのが,断ち切られたのです。面対で話し合っていたわけですから、何らかの反応も読み取れるはずです。希望を断ち切られた生徒が、どんな辛い気持ちに陥るのか、どんなにショックなのかに何故寄り添えなかったのかが大きな疑問です。担任をしていたのなら,日常的に本人との接触もある訳ですから、本人の性格特性(想像するにナイーブ、繊細、優しい)を知り得ているはずですので、後のフォローをしなければならないはずです。

厳しい事実を突きつけられる、宣告される状態にあっても、それから受ける辛さを他者が理解してくれている、寄り添ってくれていることが分かれば、人は何とか耐えられますが、反対の状況に置かれると耐えられません。

おそらく全国的でしょうが、中学校ではけじめのある指導と共に、生徒に寄り添う、ということがいわれているはずです。今回は、事実誤認の問題と生徒の気持ちに寄り添っていなかった問題もあると思えます。

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臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一

 


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