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月別: 2013年10月

一緒に子育て 42 乳がん治療A子さん その4

A子さんその3から随分日時が経ちました。

抗がん剤治療では、毛髪の抜ける副作用は避けられません。A子さんもその覚悟で、行きつけの美容院でかつらを用意しました。周りの人たちは、抜毛について同情をしてくれるが、A子さんは、「犬の毛がわりと一緒で、またはえてくる」と気楽に考えていました。こう言われれば、周りの人たちこそ気楽に付き合えることでしょう。鼻毛、睫毛も抜け落ち、そのせいか鼻水がよく出たり、目にほこりが入りやすくなりメバチコがよくできたそうです。

副作用は、抜毛だけでなく白血球の数値の異常、吐き気がする、身体のだるさ等々に悩まされ、一喜一憂しながら治療に励んでおられます。右肩上がりのように単に時間の経過で良くなるようなものでない長期間の治療には、まわりの支えが必要なことはいうまでもありません。一人では耐えにくいものです。

その3で、A子さんの友人の支えを、ピアサポートとして紹介しましたが、ここでは家族の支えに関して触れます。親に手紙を出すという学校の課題に、長男Bくんは、次のような手紙をA子さんに届けました。

いつも元気なおかんへ。「今年は家族にとって、本当に大変な時期やったね。早くガンが見つかたけど、1年もかかるなんてちょっとびっくり。陰で辛いことは分かってんで。女の人が髪を失うのはすごいショックや、ということを聞いたことあるわ。・・・中略・・・オレの病気の時は、おかんはいつも笑って心配を見せなかった。だから今度はオレが元気にやって、おかんを1日でも早く治してあげたい」

A子さんは、この手紙に大感激。この手紙を宝物にして副作用を乗り切ろうと思われています。いつ終わるか分からない困難なガン治療も、家族の支えを実感し立ち向かっていけるものと思います。このブログのタイトルは「一緒に子育て」ですが、「一緒に治療」を感じました。

ご意見、感想、質問がございましたら、HOMEのコンタクトかお問い合わせで送信して下さい。                                臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴木隆一


一緒に子育て 41 番外 「教師冥利に尽きる」

店頭に「ちっちゃい図書館」と称して、棚を利用して本を置いています。置き始めて相当期間たちました。閉店後も定休日も、店内にしまわず利用して貰っています。自由に何冊でも持ち帰っていただき、読了後返却していただくように表示しています。お陰さまで、結構利用されるお客さんが多く嬉しく思っています。主に大人向けの本が多いですが、幼児用の絵本等はすぐ貸し出されます。

先日、下校途中の女子中学生が店内に「本を借りていいですか」、と声をかけてきました。「どうぞ、どうぞ持っていってや。何の本?」の問いに、「向田邦子さんの本です。教科書に載っていたので、読みたくなりました」、と返事が返ってきました。大人の方が借りていくことが多く、中学生は本当に珍しいです。これからも読書の習慣が続けばいいのにと思いました。

先日、このエピソードを中学校国語担当のA先生に話す機会がありました。A先生は、この4月に中学校に赴任したばかりの若い先生です。教科指導、その他の時間で生徒との接点が校内でいろいろありますが、指導・指示が生徒に伝わりにくく、気持ちのズレを感じると悩みを打ち明けてくれました。

いろいろ話を聞く中で、A先生は生徒に対して大変丁寧に接しておられ、質問にも親切に答えられていました。そのことを評価しお伝えしました。いずれ、生徒からも保護者からも信頼される先生になられると思いました。

そのA先生に、先程のエピソードを紹介しますと、「教師冥利に尽きますね」とおっしゃいました。国語の教科で教えたことが、生徒の心に残り興味を沸き立たせ、読書の意欲につながる、ひょっとして一生の趣味になることを考えれば、「教師冥利」がよく理解できます。悩みを打ち明けられ相談を受けたわけですが、教育の力の一つを見た感じがしました。

A先生からも意欲を感じられ、今後の充実した長い教師生活に期待したいものです。


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