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日別: 2019年2月8日

一緒に子育て 96 折角、大人に訴えたのに

またまた痛ましい事件が起こりました。小学校4年生女児が親からの虐待で死去しました。誠に残念無念としかいいようがありません。報道に寄れば、以前にも虐待で一時保護されていました。それにも関わらず防げなかったのは関係者の怠慢でしかありません。

識者はマスコミはいろいろ意見を披瀝しています。児童相談所の職員不足が不足しているとか、関係機関の連携が不備だとか、いつもこのような事件が起こる度に言われていることです。今回、児童相談所の職員配置が潤沢であれば、果たして防げたでしょうか。私はそのようには思えません。

一番の要因は、彼女が折角親からの虐待を大人に訴えたのに、聞いた側の大人がどれだけ真剣に、気持ちを寄せて受け取ったかが問題です。親から虐待を受けていることを他者に訴えることは、もの凄く勇気が要ることです。彼女がどんな気持ちで作文に書いたのか、知った大人の感度が鈍いとしかいいようがありません。通常家の中の恥を子どもなりに隠し、外に漏らしません。限度を超えた辛さが彼女にあったのです。

その辺りの心理的な機微を何故大人は察知しなかったのでしょうか。子どもが置かれたもの凄い辛さに共感できれば、学校職員でも、児相職員でも必死で動くのではないでしょうか。職員不足連携不足の前に、私は共感度の不足と断定します。

また、彼女は母親の実家に行っているので学校を休ませる、と親からの連絡があったとか。この不自然さを見過ごすのも感度不足でしょう。「何でやろ、おかしいな」と何故思わなかったのか。登校もしないで寂しい思いをしてるのではないかと、気持ちを寄せ次の行動に何故移らなかったのかの疑問も起こります。現地の教育委員会や児童相談所に問い合わせもできたことでしょう。

もの凄い勇気を振り絞って折角訴えたのに、応えることができなかった責任は大きいと思います。

DVを受けて正当な判断を失っていた母親のことと、父親が何故そこまで暴力や虐待を繰り返したのかは、別な視点から分析が必要かと思います。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

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