ぎゃらりー鈴ブログ>

日: 2017年10月3日

熊野古道を歩く

P1030271

熊野に詣でる道はいろいろありますが、高野山から熊野本宮大社に至る小辺路を歩きました。小学校で地理を習い始めた時、紀州の山地に「果無山脈」の名前が印象的に記憶に残っています。名前を想像して「どんな所やろ」、とずっと思っていました。今回のルートには果無峠、果無集落があります。

約1000mの峠や山をいくつか登ったり下りたりします。4日間歩きましたが、人に出会ったのは3日目からで一人歩きには、少し不安でした。昼食や休憩のため休んだところに、熊目撃の看板が出ており慌てて場所を変えたのも何度かありました。

この道は、巡礼のための道でもありましたが、今のように道が整備される前には、生活道路として使用されていたとのことで、あちこちに生活の後が残されていました。写真の天水田の説明板は果無集落を出ておよそ1時間ぐらいの標高600m位の所にありました。ここだけでなく、尾根筋のちょっとした土地に田畑や屋敷跡が残されていました。屋敷跡はいずれも旅籠との説明がありました。耕作には、ましてや水が必要なお米作りには困難な所ですが、石垣を組んで土の流出を防いだり、遠くから水を引いたりした痕跡がありました。先人のご苦労には頭が下がる思いでした。

世界遺産に登録されており、もっと人が歩いていると思いましたが、静かな山旅でした。距離は67kです。9月の中頃歩きました。歩いて果無(はてなし)の意味するところが分かりました。


top