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月別: 2017年10月

一緒に子育て 85 強い叱責に応えられる子と応えられない子

マスコミでも報道されていますが、福井県の中学校で生徒が飛び降り自殺をした事件がありました。報道によりますと、該当の生徒は担任、副担任から強い叱責を執拗に受けていたそうです。身震いがする程、その生徒が過呼吸を起こすほどの度を超えた叱責のようでした。

スクールカウンセラー時の経験ですが、ある中学校で不登校になった男子生徒がおり、相談を受けたことがあります。その生徒は運動部に所属しており、その部は市内でもいつも強いことで有名でした。その成績を維持しようとするのは、部活のメンバーや指導の顧問の願いで、練習も熱心でした。そのため練習では励ましや叱責の大声が飛び交います。不登校になった男子生徒はどちらかといえば、優しく温和しくまた真面目で内向的な性格の持ち主で、一生懸命に応えようと努力をしていました。ミスを先輩からも叱られることが多くありました。そんなことが重なり、気分が落ち込み不登校傾向になりました。

運動系の部活には、よくある光景ですがその大声の励まし、叱責が叱咤激励として頑張れる子と、その大声で萎縮する子がいるのです。運動系部活では当たり前のこととして日常的に行われていますが、指導者がそれぞれの生徒の性格的特徴を把握して、練習中はできなくても終了後「今日は、よく頑張っとったなぁ」「あの時パスは上手やったで」等のフォローがあれば、次の日も頑張れるはずです。

今回の福井のケースでは、担任発言として「強い叱責にも応えてくれると思っていた」、とありました。自殺して生徒さんの性格的特徴は分かりまねますが、強い叱責イコール奮起につながるとはあまりにも単純な発想です。その上、多くの生徒が見ている中、また職員室での場面もあったようです。自意識が芽生えている思春期には耐えられない屈辱にもつながります。

教育では一人ひとりに対応する、個を重視する、とよく言われますがそれぞれの子の性格的特徴の理解と、大人側からの行動(叱責や励まし等)後、その生徒がどんな受け止め方をしているのかの把握が必要です。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

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岡崎公園 平安楽市に出展

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10月14日(土)、京都岡崎公園で開催の見出しの手づくり市に初めて出展しました。天気予報通り薄曇りと小雨で、いつもより人出が少なかったようですが、広い公園と平安神宮の近くで居心地のよい手づくり市でした。場所柄か、外国人観光客の方もたくさんおられました。

今回のぎゃらりー鈴の売れ筋は花炭でした。いろいろな手づくり市に行きますが、花炭だけはどの店にも置いていなくて、当ぎゃらりーのオリジナルと宣伝しています。リピーターのお客さんからクリスマスプレゼントにするからと、60個の注文をいただきました。

今後の予定                                        ・10月28日(土) 神戸湊川公園

・11月5日(日) 西宮神社(えべっさん)

・11月11日(土)~12日(日) 明石城公園


熊野古道を歩く

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熊野に詣でる道はいろいろありますが、高野山から熊野本宮大社に至る小辺路を歩きました。小学校で地理を習い始めた時、紀州の山地に「果無山脈」の名前が印象的に記憶に残っています。名前を想像して「どんな所やろ」、とずっと思っていました。今回のルートには果無峠、果無集落があります。

約1000mの峠や山をいくつか登ったり下りたりします。4日間歩きましたが、人に出会ったのは3日目からで一人歩きには、少し不安でした。昼食や休憩のため休んだところに、熊目撃の看板が出ており慌てて場所を変えたのも何度かありました。

この道は、巡礼のための道でもありましたが、今のように道が整備される前には、生活道路として使用されていたとのことで、あちこちに生活の後が残されていました。写真の天水田の説明板は果無集落を出ておよそ1時間ぐらいの標高600m位の所にありました。ここだけでなく、尾根筋のちょっとした土地に田畑や屋敷跡が残されていました。屋敷跡はいずれも旅籠との説明がありました。耕作には、ましてや水が必要なお米作りには困難な所ですが、石垣を組んで土の流出を防いだり、遠くから水を引いたりした痕跡がありました。先人のご苦労には頭が下がる思いでした。

世界遺産に登録されており、もっと人が歩いていると思いましたが、静かな山旅でした。距離は67kです。9月の中頃歩きました。歩いて果無(はてなし)の意味するところが分かりました。


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