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カテゴリー: 一緒に子育て

一緒に子育て 98 発達障がいの方々の生き辛さ

発達障がいの方々は、一般的に社会性(他者との付き合い等)やコミュニケーションが苦手、またこだわりが強い等といわれています。しかし、日常生活で一番生き辛くしているのは、感覚(聴覚、視覚等)の過敏性ではないでしょうか。ある当事者の方が建物内の人工的な照明も目に辛くサングラスをかけければならない、街の様々な音が耳を錐で突くような痛さを感じさせる、と話されるのを聞いたことがあります。               イギリスのあるスーパーが、発達障がいの方々に配慮して定期的に「静寂の日」を設定しました。その日は宣伝はじめ、できるだけ音を少なくしたところ、感覚過敏な方々は快適に買い物ができたそうです。また、発達障がいの方々だけでなくそれ以外の方々にも心地よく、その日は売り上げが伸びたそうです。                    ある中学校を訪問したとき、教室内の椅子の脚全てに、半分に切った硬式テニスボールを履かせていました。生徒が立ったり座ったりするとき、椅子が床をこする音の不快さを感じた方もおられるとことと思います。                        そうです、発達障がいの方々の不快さは、私たちと共通することも多くあるのです。ちょっとした配慮が多くの方々を快適にすることもあるのです。

臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一

この文章は、伊丹市教育委員会発行「教育いたみ 第49号」に掲載されたものです。

感想、質問、ご意見は yc-suzuki65@bcc.bai.ne.jp で送信して下さい。


一緒に子育て 97 大人との愛着関係が少なかった子どもたち

先日、愛着障害に関係する講演会に参加しました。その中でいろいろ共感することがありましたので、私の経験も交え少し述べたいと思います。

先ず、講演会の講師ですが、福井大学こころの発達研究センターの友田明美教授でした。著書もあり最近ではメディアでも取り上げられています。友田教授によれば虐待や親・養育者から不適切な養育を受けることにより、反応性愛着障害の症状を起こす。結果的に、健全な人間関係が結べない、達成感への喜びが低い、やる気や意欲も起こさない等々の問題を抱えます。「褒めても響かない」の言葉で表せます。まるで、自閉性をベースにした発達障がいの人たちが持っている特徴と類似します。

私が保護司として関わった19歳の男性を例にとります。彼は、保護観察中守らなければならない遵守事項、「仕事を続ける」をきちっと守り、決められた保護観察の期限を待たず良好解除になりました。本人が特定できないように紹介したいと思います。

四国である事件を起こし少年院送致の審判を受けました。少年院を出てから私との関係が始まりました。通常、少年院を出るとき、身元引受人は親を指定することが多いです。しかし彼は親を指定せず、職親を指定しました。彼に関する書類には、親からの虐待がひどく本人から親を拒否したとのことです。これは相当の虐待を受けたことが想像できます。

私宅で初めての面談の時です。どの対象者にもするようにお茶を出しました。「猫舌で熱いものが飲めないのに、なんでこんなお茶を出すのか」、と怒りの発言がありました。その後も定期的に面談を続けましたが、最後まで親和的な雰囲気を作れず、人を拒否する状況が続きました。

通常、義務的で面白くない面談であっても、回を重ねるに従いお互いの人間性も理解して、また常識的な感性で、挨拶やお愛想をするものですが、彼にはそのような人間関係の潤滑油が全く見られませんでした。人間不信が大きかったのでしょうか。

この状況は、まさしく虐待が彼の心を奪ったものです。親や養育者に完全に依存でき、完全に守られる状況になく、反対に依存や守りの反対の環境におかれていたのです。

この状況は、友田教授に寄れば、脳もさえ傷つけるそうです。

依存できる、完全に守ってくれる人の存在を彼が感じることで、長い時間の経過があれば修復できますが、本当に心配な事例でした。期限前に良好解除をする手続きを終え、通知書を渡し、「よく仕事を継続できたね」、とプラスのメッセージを送っても、まさに「褒めても響かぬ」の様子でした。

幸い、仕事を続けている、雇い主からは信頼されている、という実生活の中で自己肯定感が生まれる状況があることが大きな救いで、今後人を信頼できる感性が育ってくれることを願うばかりです。

子育ての中で、少々失敗や抜けたことがあっても、愛着関係を促進する抱っこ、おんぶ、なでる等々のいわゆるスキンシップと、笑顔、声かけさえあれば、たいした失敗にはなりません。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

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一緒に子育て 95 いじめについて 大人の本気が大事

前回、いじめへの対応の一つに「癒やしの効果」を取り上げました。今回は大人の本気度について触れます。

いじめから重篤な事案になる経過の中で、「なんでもっと早くいじめ被害を訴えなかったのか」がよくあります。その原因はいろいろ推測できますが、その一つに「大人に言っても軽く見られるか、たいしたことをしてくれない」があります。確かに、子どもや親から相談があっても忙しさに紛れたり、当事者ほどの緊迫感がなくて対応が後手になりがちです。加害者側もその状況を見ています。

私はスクールカウンセラー時代、保護者からいじめについて相談を受けた場合、担任に「何時、どのような対策をしてくれるのか。その結果を教えてくれるように」を失礼にならないように確かめることを勧めていました。

大人の具体的な真剣な「すぐ動く」様子を、被害者側も加害者側も見るのと、反対の大人の様子を見るのとでは、子どもたちに与える影響は大違いです。

「親や先生はすぐ動いてくれるんや」の姿を示したいものです。


一緒に子育て 94 いじめについて 部活での人間関係

いじめについては過去、このブログでも数回取り上げました.。今回は最近参加したいじめ対策に関する会合から感想を述べます。

最初に、「いじめをなくす」「いじめ撲滅」等のスローガンがあります。現在教育委員会等の公的見解では、ケンカもいじめに属する、と言われています。重篤な状況に陥らないためには、軽微なうちから対策をする必要があります。先程のスローガンに戻りますが、学校、職場等々の不特定多数の人間が集まる場所においては、人間関係のトラブル、諍い、反発、反感は避けられないもです。従いまして、集団生活の中ではいじめ的な人間関係はあって当然ではないでしょうか。

私は、スローガンとしてのいじめ撲滅は当然ですが、より大事なのは迅速な対応といじめ被害者への寄り添いだと思います。昔からいじめはあっとして見過ごす間違いが過去にありました。確かにその一面はありますが、現在は過去にあった「癒やしの人間関係」が少なくなったと思われます。諍いの人間関係、傷つく人間関係は増えた反面、癒やしの人間関係が減ったのではないでしょうか。例えば、祖父母や叔父伯母の存在、また近所のおばちゃんの癒やし効果も減っています。

参加した会合でも当事者の中学生の声として、いじめ場面で被害者側を守る行動は、自分もいじめられる側になりはしないか、との心配でほとんど不可能とのことでした。今の中学生は「ええかっこ、目立つ行動」を嫌います。良く理解できる心境です。私は、中学校での講話で「その場面では介入や味方はできなくても、その場面が納まった後被害者の友だちに声をかけるのはできるやろ。自分がいじめられた後、味方がいることが分かれば、どんなに心強いか分かるやろ」と話します。この話には、うなずきが多いです。まさに、癒やしの人間関係です。

部活、特に運動部では叱咤激励か、指導か、いじめかの境の人間関係がよくあります。この場面でも先程の「癒やし効果」は有効です。特に部活指導者は、叱咤激励に強い子か、叱咤激励に傷つきやすい子なのかを良く見極め、部活終了後声かけをしてやる必要があります。傷ついている子にすれば、その一言はどんなに心強いことでしょう。

人間は、特に友だち関係に気を遣い、傷つきやすい思春期の子どもは、自分をよく見てくれている、味方をしてくれる他者の存在があれば、困難な状況を自分で克服もできるのです。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

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一緒に子育て 93 いじめと自尊感情

いじめ関連のある会での討議の中で、単なるいじめ件数の上下に関心を寄せるのではなく、子どもたちの「自尊感情を高めることが大事」との発言がありました。私も全く同感でです。

いじめは教育の世界、学校現場、学校集団で起こることが多いです。学校社会の社会病理とも言えます。そうしますと、単にいじめをなくすだけでなく学校の機能を修復する、本来の正常な形にすることが子どもの発達成長に大事なことです。子ども成長や発達が阻害されていることが、学校の社会病理につながるかも分かりません。

学校の機能をより正常化することの大きな一つに、分かる授業の推進と共に「自尊感情を高める」ことがあると思います。学習活動にもついていけない、部活動で自分の力を十分発揮出来ない、友だちともうまく付き合えない、等々が重なると自尊感情どころか、自己否定感が増幅します。

更に、そのような状況を理解してくれ、応援してくれる人がいなければ、自暴自棄にもつながります。結果的に生徒指導上の問題を起こすか、いじめターゲットを見つけ攻撃にもつながります。

大人になった発達障がいの人が次のような発言をされました。「学校時代にたくさんのいじめを受けたが、いつも穏やかな人は自分を攻撃してこなかった」。いつも穏やかな人とは、自尊感情も持っていると考えられます。その反対に、険しく不安定な表情の人とは、自尊感情が持てていない、自己否定感が存在すると考えられます。そのような人は、弱い者いじめというしがない行為で自分の存在感を発揮するしかないのです。

勉強も苦手、運動も苦手、友だちもいない等々の子どもたちの心情を理解し、寄り添い、少しの成功体験を共にすることは、どれだけ大きな応援になることでしょう。

失敗体験の積み重ねで不登校になった中学生が、自分のことを理解しようとしてくれた一人の先生の存在で立ち直った相談ケースを経験したことがあります。「理解してくれた」のでなく「理解しようとしてくれた」なのです。自分を理解し支えてくれる人の存在が、自尊感情にもつながるのです。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

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一緒に子育て 92 子どもとのコミュニケーション

伊丹市内のある小学校の保護者の皆様と、見出しのテーマで討議をしています。保護者の方々は、自分の子どもとの関係、中でも意思の疎通、コミュニケーションは切実な願いだと思います。これらがスムースにいけば、子どもの考えや状態が理解でき親としても大安心です。

子どもとコミュニケーションをスムースにするために、どんな語りかけがいいのか、どんな質問がいいのかが気になるところです。今回もそれらが出ましたが、子どもからの話を聞き出すために、こちらからどんな関わりがいいのかよりか、一番大事なのはこちらの聴く力、聞き方ではないでしょうか。

保護者の方々からの発言にもありましたが、子どもの発言に対して、ついうっかりいい加減に聞いてしまうと話されていました。折角のコミュニケーションの機会を失ったかも分かりません。

子どもから話を聞くためには今はやり「聞く力」が大事なのです。忙しくてもほんの少しの時間を子どものとの関係のために使用する。ほんのわずかな時間でも子どもの正面に立つことが大事だと思います。

親が一生懸命聞いてくれた体験が、話しやすい関係をつくることでしょう。

保護者の方からでたその他の意見として、こちらの態度やその場の雰囲気も大事だとおっしゃっていました。まさにその通りだと思います。発言しやすいこちらの態度や雰囲気も自分を表明するためにはとても大事な要素です。

結論として、こちらから何を話すかではなく、どのように聞くかがポイントです。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

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一緒に子育て89 犯罪被害者支援研修に参加してその2 罪の意識があるのか?

次回に続いて見出しの研修会に参加しての感想を述べます。

講師が述べられたことと、過去私が保護観察官、保護司としての経験をダブらせての感想です。 警察の関係者が、管轄の中学校へ出かけ生徒への講話を続けた結果、明らかに非行件数が減少したとの報告がありました。生徒に強調されたのは、万引きも法律の解釈からちゃんとして罪になる、追いかけてきた店員さんを振り切り、その店員さんが転倒して怪我をすれば傷害という罪になる、等々を丁寧に法律、刑法に照らし合わせて説明されたそうです。その罪、非行の結果、警察、検察、鑑別所、家庭裁判所、少年院等々を経て、償わなければいけない等も子どもたちは知っているでしょうか。

スパーやコンビニでの万引きの件数は相変わらずの状況です。よく言われているのは「罪の意識が希薄」ということです。補導されたり警察へ被害届を出されるのは、運が悪かったぐらいの意識です。皆がやっている、捕まらなければよい、という認識が多いようです。

その意識が万引きに止まらず、バイクの無免許運転、バイク窃盗、信号無視等々へ拡大します。これらも皆がやっている、捕まらなければよいレベルではないでしょうか。要するに自分らの行為が法令違反という認識がなく、言わば流行、ファッション程度の軽い気持ちで行われます。

私の保護観察対象者であった中3A君もその典型でした。すでに良好解除されて相当年数経ちます。A君も数度の万引きで生徒指導の先生から何度か指導され治まりましたが、仲間内でバイクの運転がはやり、その流行の流れで無免許運転へと進んでいきました。              まさに、皆がやっている、見つかっていないレベルの意識で、その行為が法令違反である、悪いことをやっている意識はほとんどありませんでした。意識というより知らないといってもいいと思います。いわば彼らのファッションなのです。

これらの意識を危惧した警察関係者が、法令に準拠してきちっと説明、解説することで、非行件数が減少したことは、時宜を得た教育と感じました。

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臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一


一緒に子育て 88 犯罪被害者支援研修に参加して 被害者の声「未然に防げたのでは?」

平成30年1月と2月に、6回にわたり京都犯罪被害者支援センターの研修に参加しました。そこでの電話相談や、面接での支援のボランティア活動をしてみたい、と考えてのことです。過去、臨床心理士として様々なクライエントを対象に、カウンセリング活動や心のケアの活動を経験しましたが、今回は初めての分野で新鮮な印象をいろいろ受けました。

一番印象的だったのは、少年犯罪の被害者当事者の声でした。過去にも、臨床心理士の研修会で、高校生の息子さんが友人の暴力で殺された母親の話をお聞きしたことがありました。

今回講師を務められたのも、面識のない16歳の少年から一方的に暴力を奮われ、殺された高校1年生の息子さんの母親Aさんでした。いろいろ語られた中で、現在保護司である私に耳の痛い内容がありました。

それは、犯罪被害者を出さないようにして欲しいと言うことでした。Aさんの息子を殺した犯人は、過去いろいろな少年非行を繰り返していたそうです。具体的には語られませんでしたが、類推するに、万引きや暴力事件、無免許でバイク運転等々ではないかと思われます。Aさんが強調されたのは、万引きや暴力事件が軽いとは言えませんが、そのレベルの段階で対応・保護・指導をきちっとなされていれば、重篤な非行や犯罪に至らなかったのではないか、ということでした。

確かに、保護観察対象者として私たちが出会う少年や大人の中には、非行犯罪を繰り返してきた人たちがいます。保護観察を終了した少年が再度事件を起こして、家庭裁判所の審判で少年院送致になるケースもあります。大きな事件の前の小さな事件で少年が立ち直ることできれば、Aさんのような被害者を出さなくてよかったでしょう。この犯人も、過去中学校や警察署等々でいろいろ保護や指導を受けてきたでしょう。保護観察を受けていたかも分かりません。

一度、非行に陥った少年の立ち直りには、本人に道徳性や規範性を身につけるように指導すること以外に、多方面の対応が必要です。                            Aさんの息子さんを殺した少年は、過去どのようなサポート受けたのか気になるところです。

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臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一


一緒に子育て 80  質問に答えて ~相談相手が欲しいが~

よくいただく相談の一つです。障がいがあるなしに関わらず、子育ては際限のない仕事です。例えとしてよく例に出しますが、私が数年前にボランティアとして水害を受けた家屋の泥だしをしたことを例に挙げます。公民館の広い床一面に、30センチ程の水をたっぷり含んだ泥が積もっていました。もしこの泥を一人で出すとなるととても手をつける気持ちにもならないでしょう。しかし、10数人の同士がいることで、手をつける気にもなりますし作業もはかどります。いつ終わるともしれない事柄は、一人では不安で踏み出す勇気にもなりません。

泥だしと子育てを一緒にはできませんが、いつ終わるとのしれない仕事では似ていると思います。まして、ハンディのある子どもの子育てとなれば、一層不安と心配が募ります。そこで、私の持論ですが、「一緒に子育て」です。一緒の相手はいろいろです。心理や医療、療育の専門家も必要に応じて相談相手、一緒の相手にもなりますが、一番身近なのは「子育てをしている親同士」です。これをピアサポートといいます。子育ての悩みに的確な答えは返らないかもしれませんが、「みんな一緒や。ほんなら、ちょっと頑張ろうか」の気持ちを起こさせてくれます。子育てには正解はありません。親同士の話が正解に近いかも分かりません。

相談機関、医療機関も必要に応じて利用することもあるでしょう。診断や判定を得ることで自分の子ども理解につながり、今後の子育ての参考になります。定期的に利用することで、発達の状況の理解にもつながります。

現在保育所や幼稚園や学校に通園・登校している子どもが、並行して他の療育機関に通わせたいが、との質問もよく受けます。私は次のようにお答えします。その子どもが主たる生活の場、保育所、幼稚園、学校に喜んで通いそこでそれなりの活動があるなら、それ以上必要はないと思っています。子どももそれぞれの活動の場で全力で過ごし、ストレスを受けているでしょうし、心身の疲れもあります。帰宅後は、甘える時間、癒やされる時間として過ごすのは如何でしょうか。

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臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴木隆一


一緒に子育て 79 発達障がい児の困り感 教室で立ち歩く一年生

発達障がい児のことが注目され、相当年数経っています。教育でも福祉でもそれ以前と比べて格段に手立てがなされています。私も教育や保育の場で研修会の講師をよく務めますが、発達障がいのことが多くなっています。それだけ関心が深く、該当の子どもたちへの取り組みも真剣に考えられるようになってきたことは、喜ばしいことだと思っています。

先日、次のような相談を受けました。小学校1年生発達障がい傾向男子の子どもさんですが、音楽の授業に立ち歩くということでした。お母さんからの相談でした。授業中、他児が座って学習しているのに立ち歩くのは大変目立って、お母さんもお困りの様子がありありでした。

状況を詳しくお聞きしました。音楽の授業で先生がピアノ演奏やモデルで楽器を演奏している時は静かに聞いているが、子どもたちが演奏し始めると、奇声を上げて嫌がる様子を示して、最後には立ち歩くとのことでした。

発達障がいの子どもたちの多くに、感覚の過敏性があります。このことは通常よくいわれの社会性の障がいコミュニケーションの障害、想像性の障がいほど注目はされていませんが、実際の生活場面では、この過敏性で大変困っていることをよく見受けられます。

この子どもさんも聴覚の過敏性があり、秩序だった音(先生のモデルの演奏)なら聞くが、子どもたちの楽器演奏は雑音・騒音に聞こえ、本人の我慢の限界を超えていると考えられます。定型発達の子どもや我々なら我慢の範囲内ということが考えられますが、それを越えているのです。

私は、そのお母さんに、その時は教室外での適当な場所を用意して、そこに逃げ込むことをアドバイスしました。担当の先生の了解が要りますが、このように特別な措置もあってもいいのではないかと考えます。

5月21日に放映されたNHKスペシャルで、大人の当事者(発達障がい)の話がありました。子どもの頃、教室や街頭の騒音は、時には耳をドリルでえぐられるようだと話されていました。そのために、吐き気や頭痛さえもするそうです。

私たちは、そのような特有な感覚の過敏性に注目する必要があると思います。その配慮が発達障がい児・者の困り感を少しでも軽減できるものと考えます。

ご意見・質問・感想がございましたらホームのコンタクトか、お問い合わせからら送信してください。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一


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