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里山通信 やまももの花咲く

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7,8年前に丹波にある私の山にヤマモモの苗を植えました。1m位の苗が5,6mほどの大きさになりました.昨年に初めて花が咲き、実もつけました。そこそこで大きい実で食べることが出来ました。子どもの頃、学校帰りにわざわざ遠回りをして実を取ったことを懐かしく思い出します。


一緒に子育て 70 「一人、平気派」

このシリーズ16「子育て常識の嘘 その2」で「友だちがおらんのは、アカンことなんか」でも取り上げました内容です。「群れる弱さ」、「一人でいる強さ」の言葉でも対比させました。ある所で、ある事柄に関わり、一層このことを痛感しましたので、再度、取り上げたいと思います。

「一人、平気派」の言葉を使用しましたのは、中学生の保護者対象の講演会で,同趣旨の話をした時、感想文の中に「うちの子どもは、一人、平気派」と表現されていました。「一人でいる強さ」より「一人平気派」の方が穏やかな感じですので,今回みだしの言葉で使わせて貰いました。

さて、ある事柄というのは、小学校高学年女子児童のケースでした。小学校高学年といいますと、思春期前期の発達段階です。自分の性格、容貌等が大変気になります。また、周りの友人からどう思われているか、どう見られているか、自分の言動がどのように受け取られているかも,大変気になる年齢です。そのようなことを含めて友人関係にものすごく気を遣っています。もっといえば神経をすり減らしています。

その女子児童は、もともと友だちづくりが苦手で、集団生活を始まった頃から、どちらかといえば一人遊びが好きでした。しかし、学年が進行するにつれて,自分のことや周りのことが気になり始めました。時を同じくして親や,先生から友だちづくりを勧められました。常識的なこととして、友だちはたくさんいた方がよい、友だち関係の中でいろいろなことを学べる、友だちがいないと社会性が育たない等々のアドバイスを受けました。それほどきつく言われたわけではありませんが、「友だちが少ない、一人でいる方が多い」自分の日常にマイナスイメージを持ち始めました。いわゆる自己否定感の始まりです。

彼女は,自分でもそこから抜け出そうと、友だちづくりでいろいろ試みました。自然発生的な友人関係ではなく,とても意図的ですのでそこにはいつもぎこちなさ、不自然さだけが残りかえってうまくいきません。保護者の勧めもあり地域の運動クラブにも入りました。世間では運動を通じて友人が出来る、助け合いの精神が育成される、といわれます。この常識にもなかなか反論できません。

もともと運動嫌いの彼女は、そこでもいわゆる皆の足手まとい的な立場になり、自己否定の感情を募らせました。このようにいろいろな努力、大人からのいろいろなアドバイスの実行も、ことごとくうまくいきませんでした。このことだけが原因ではありませんが、不登校傾向から本格的な不登校になりました。

さて、ここで問題にしたいのは、彼女の「一人の方が過ごしやすい」「一人で本を読むのが好き」「一人でこつこつ手芸する方が好き」等々の持って生まれた性格や持ち味を、なんでアカンものとして、周りがこぞって評価するのであろうか。積極的に否定はしていないが、長きにわたってマイナスのメッセージを受け続けると、じわじわボディブローとして効いてくる。

子育ての専門書や専門家も、ごく常識的にその論を勧める。多様化を標榜する学校教育でもそうである。あまりにも常識的すぎるので周りは反論できない。私のいう「子育て常識の嘘」である。

「本を読むのは、内面を豊かにするもんやで」、「こつこつ一人で物事に取り組めるのは、根気強さにつながるで」「群れて過ごすと、自分を見失うことになりがちやで」、となんでプラスの評価を伝えてやれなかったのか。そうすれば、少なくとも自己否定の気持ちを、持ち続けることはなかったと考える。

常識は、確かに常識で当たることが多いが、強すぎる常識の裏には、時には当てはまらないこともあることを考えたい。

ご意見、感想、質問がありましたら、ホームのコンタクトから送信して下さい。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一

 


一緒に子育て 69 広島中3自殺について

この数日、新聞、テレビの報道で広島県府中町立の中学校3年生男子生徒の自殺の問題が,盛んに取り上げられています。学校関係者、臨床心理士として見過ごすことが出来ません。この年齢で自ら命を絶つということは、誠に痛ましい限りです。残されたご遺族のお気持ちは想像するに言葉がありません。

報道によれば、万引きの事実や記録の手違いのようですが、彼に取れば単なる手違いということではすまされない人生の岐路に関わる重大な事柄なのです。先ず、このことから学校における生徒関係の記録、会議録が慎重丁寧に扱われなければなりません。また、過去何回か訂正の機会があったに関わらずそれをしなかったとも報道されていますが、複数の教員が関わると責任が分散されるという空気が漂い、結局誰の責任か分からなくなります。

間違った事実で進路指導が行われたことは、とんでもないことです。進路指導を行った教員は、自分の発言の重大性をどれほど認識していたかが疑問に残ります。希望に満ちた高校生活を夢に描いていたのが,断ち切られたのです。面対で話し合っていたわけですから、何らかの反応も読み取れるはずです。希望を断ち切られた生徒が、どんな辛い気持ちに陥るのか、どんなにショックなのかに何故寄り添えなかったのかが大きな疑問です。担任をしていたのなら,日常的に本人との接触もある訳ですから、本人の性格特性(想像するにナイーブ、繊細、優しい)を知り得ているはずですので、後のフォローをしなければならないはずです。

厳しい事実を突きつけられる、宣告される状態にあっても、それから受ける辛さを他者が理解してくれている、寄り添ってくれていることが分かれば、人は何とか耐えられますが、反対の状況に置かれると耐えられません。

おそらく全国的でしょうが、中学校ではけじめのある指導と共に、生徒に寄り添う、ということがいわれているはずです。今回は、事実誤認の問題と生徒の気持ちに寄り添っていなかった問題もあると思えます。

質問、ご意見、感想がありましたら,コンタクトから送信して下さい。

臨床心理士・元スクールカウンセラー 鈴 木 隆 一

 


里山便り 春近し 蕗のとう

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いつかいつかと、待ち遠しかった蕗のとうを3月6日に見つけました。春の到来を告げてくれるものはいろいろありますが、色といい、形といい、味といい蕗のとうが一番ではないでしょうか。早速天ぷらにしていただきました。

これからワラビ、タケノコ、コシアブラ、タラの芽等が楽しみです。ご希望の方にはプレゼントしたいと思いますので、どうぞコンタクトでご一報ください。


手づくり市 湊川公園

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現在、手づくり市・クラフト展等に出展しています。定期的には,湊川公園、西宮神社が毎月です。不定期に全国のクラフト展への出展を予定しています。過去では、石川県にも出かけました。写真は、2月27日(土)の湊川神社の様子です。店舗が150店になる比較的大きなイベントです。

ぎゃらりー鈴の展示品は、生活漆器、炭アート、カッティングボード、流木ハンガー、トイレットペーパー立て、おもしろ木工等です。売れ筋は,写真にあります「山の鉛筆」「ママゴトセット」です。両方ともお買い求めやす値段に設定しています。ママゴトセットはヒノキの器3点で500円、鉛筆は1本80円です。どちらも子どもさん女性に大人気です。ママゴトセットは、クルミオイルを塗り重ね、自分専用のぐい飲みや豆皿ににされるお客さんもおられました。

西宮神社は第一日曜日、湊川公園は第四土曜日です。時間がございましたらお越しください。なお、3月の6日の西宮は都合で出展しません。


味噌造り

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写真の左白い桶の中には、水に漬けた黒豆があります。右側タッパーの中には出来上がった味噌が入っています。これは昨年の今頃につけ込みました。ですから、丁度一年経ってこのように出来上がりました。大変美味しく出来ました。

味噌造りというと難しそうですが、「手づくりのすすめ」というマニュアル本を見て、10年ほど前から作っていますが、失敗したことはありません。私宅の朝食には必ず具だくさんのみそ汁が出ますので、それに利用します。美味しいと言ってくれる知人が居りますので、その方にプレゼントしています。

作り方は大変簡単です。一晩、豆を水に漬け翌日柔らかくなるまでナベで煮ます。それをすりつぶして、米麹、塩と混ぜ合わせて、ボール状に丸めて瓶に押し込んで上から重しをします。その状態で半年経てば出来上がりとなります。長く置くほど熟成します。

豆、麹、塩の量はすべてマニュアル通りです。皆さんも如何でしょうか。


一緒に子育て 68 食べ物の好き嫌い

みだしの食べ物のの好き嫌いの心配は、先日招かれた幼稚園保護者の研修会で出た質問です。しかし、子どもの偏食や好き嫌いの問題は、今に限らず以前からあったことで、質問された保護者自身にもあったことと思います。従いまして、誰しもが子どもの頃経験したことで、親からいろいろ言われてきたことでしょう。そんな経験の中で工夫し改善されてきたことと思います。

今、子育て中の大人なも自分の子ども時代に、親からどのように偏食を直されたか、を思い出して参考にするはずです。わざわざ活字にしたものを読んで、参考にするようなものではないと思います。いわゆる子育て文化というものでしょうか。

現在、この子育て文化を始め、遊び文化、食文化等、本来伝承されるべきものが廃れていることが気になるところです。学校給食で、和食様のおかず、すなわち伝統的な食事が出ますと、食べ残しが多いと聞きます。これは、日常の食生活で、そのようなおかずを食べた経験が子どもに少ないからです。

今回の主題の好き嫌いをなくすについて、講師の私から一方的に話すのでなく、グループで話し合って貰いました。出るは出るはの盛んな意見が飛び交いました。それもそうです、皆が子どもとして、親として経験していることです。

質問された方は、好き嫌いが多いまま小学校に入学し、給食のときに困るのではないかと心配されていました。これにも経験から答えの一つが出ました。それは、給食が始まると皆と一緒に食べるわけですが、周りの子どもの様子を見て、嫌いなものも少しずつ口に入れ始めたとのことです。いずれにしましても、無理に食べさせるのではなく、自然な形例えば、家族が美味しく食べるのを見る、いろいろ工夫をして食べやすいようにする等の意見が多くありました。学校給食でも触れましたが、家族が日常食べないものは、食べず嫌いとして残るのではないでしょうか。

その他の意見として、夏野菜、トマト、ピーマンを嫌う子どもがよくあります。これに対しても、大きめの鉢かプランターで簡単に育てられますので、子どもと一緒に苗を買い、水をやり育てるのです。日に日に大きくなり、トマトらしくピーマンらしくなるのが楽しみになってきます。そうして大きくなり収穫したものであれば、食べるのも興味を持ちます。


丹波里山便り

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平成28年1月24日の写真です。私の山小屋・工房は、兵庫県丹波市春日町柚津にあります。一般道から40mほど入ったところの建てました。この日はこの冬一番の寒波で予報通り降雪がありました。およそ6センチほど積もっていました。前日から小屋に泊まり、木ろくろで器を削っていましたが、晩の寒さはやはり相当なものでした。

しかし、2枚目の写真のように小屋内には大型の薪ストーブを設置しています。薪は、チェンソーで切ったり斧で割れば無尽蔵にありますので、ガンガン薪を燃やせます。もともと、薪ストーブにあこがれており、小屋を建てたのも薪ストーブを置きたかったからです。

作業終了後は、ストーブの前でちびりちびりとウィスキィーをなめながら、好きな本を読むのが至福の時です。晩は物音一つしません。

獣は、シカ、イノシシ、タヌキがおります。シカは、糞があちこち散らばっています。イノシシは、タケノコの被害ですぐ分かります。タヌキは数年前に子ダヌキを見かけました。         次の山での作業は、シイタケとナメタケの菌植えです。


一緒に子育て 67 子どもと自然との触れあい その2

一緒に子育て65で、子どもが自然と触れ合うためには、周りの大人のあり方が大事だと述べました。

今回は、私がスクールカウンセラー時代にお目にかかった、ある保護者の方について述べます。周りに里山が広がる自然豊かな所で育ち生活されていました。子どもさんのことで私の元に来られました。話が一段落したとき、ご自分の子ども時代のことを思い出され、次のようにおっしゃいました。「不登校気味の中学生の頃、学校に行くのが嫌で近くの山に入り、木登りで時間を過ごしていた」、とのことでした。その話し方、表情は大変穏やかな感じを受けました。

この方の性格傾向として、一概には言えませんがお話ししている中で、ナイーブで大勢の中で過ごすのが苦手な感じを受けました。言わば、多人数の中では「傷つきやすい」、といえます。カウンセリングの世界にいますと、「人は人によって傷つき、人によって癒やされる」ことを実感しますが、「人は人によって傷つき、自然の中で癒やされる」ことをこの方から学びました。お話を聞いていて、一人で山や木に溶け込んでいるかのような感じを受けました。

私たちは、山や海、川に出かけます。その時、何をするでもなくふっと瞬間的に自然に溶け込む感じをする時があります。私の体験では、前後に人が見当たらない山道を歩いている時、海に潜り身体が浮き上がらないように、岩をつかんで周りを見ている時に、そのような感じをしました。そのシーンを思い出しますと気持ちが安らいできます。

仲間と大勢で出かけて、海遊び・川遊びもそれはそれで大変楽しいものです。しかし、溶け込む、触れあう実感は、やはり静かな雰囲気でしか味わえないのではないでしょうか。家族で子どもさんを連れて海、山に行った時そのようなワンシーンを作るのも如何でしょうか。

人それぞれの体験の中で、気持ちが安らぐ思い出があるでしょうが、自然との触れあいもその一つではないです。

感想、ご意見、質問がございましたら、ホームのコンタクトから送信して下さい。

臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一


一緒に子育て 66 伝統行事

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以前にも紹介した新聞の読者投稿川柳に「やってたな 一家総出の 大掃除」があります。大昔でなく少し前にあった、家族や地域の伝統行事がいつのまにか廃れたことを詠んだ句です。生活様式、家族構成、地域状況、親戚との付き合い方等々でこれら行事が変化しても当然です。「昔はこんなこともあったのに」は単なる郷愁で無い物ねだりになるでしょう。

とは言いながら、大掃除の箇所を「お餅つき」「お節づくり」「初詣で」「お墓参り」等々に変えてもすべてに当てはまるのではないでしょうか。少し前まで、自分の用事を優先して、あれだけ一生懸命に家族が一緒に過ごした時間がなくなっていることは、気になることです。

私の趣味で、写真のようなお餅つきを続けています。小さい子どもたちにも参加して貰っています。つきたてのお餅の美味しさ、蒸しただけの餅米の味、薪を燃やすことのおもしろさ等々、子どもたちは新鮮な印象を持ってくれます。

先述しましたように、これら伝統行事を続けることが難しくなっています。それに変わる自分の家族の行事を作り出すのも如何でしょうか。大きくなった子どもたちに思い出になるはずです。.こんなことを幼稚園の研修会で話したところ、あるお母さんが、「自分のところでは、毎夏友人一家とキャンプに行っている」と話されました。そうです、いわゆるお餅つき等の伝統行事でなくても、新しいその家族だけの伝統行事を作り上げればいいのです。

それにしても、子どもたちは火遊びが好きです。団扇であおいだり、火吹き竹で空気を送っています。私の山小屋に大人が来れば、薪割りを一番好んしてでくれます。いずれも人間の本能を呼び覚ますようです。

感想、質問をお待ちしています。                                 臨床心理士・元スクールカウンセラー  鈴 木 隆 一


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